2012年1月23日月曜日

『その数学が戦略を決める』を読んだ

果たしてその実力やいかに?


いつも通り書評はブクログに書いた。回帰分析や無作為抽出テストから話を始めて統計予測による政策決定や教育や医療の現場、はたまた商業活動までを難儀な説明はできるだけ省略し万人受けする読み物となっている



本の中でも語られていたが、回帰分析というのは一定数のデータがあれば後から変数をいじれば知りたい結果がわかる。逆に無作為抽出テストは最初に変数を設定あるいは余計な変数を除去しなければならない。つまり事前のモデルの設計こそが大切なのだ。そこで以前から疑問に思っていたことについて書いてみる

JINS PCについて。
JINSのディスプレイ視認用のメガネだ。はてなやITメディアで特集が組まれたりですこぶる広報に力を入れていたようだ。つけてみた感想は言われているほどよくはない。というかサングラスだ。青色要素を抑えたつくりと言っているが詰まるところサングラスなのだ。老眼のように画面が黄ばんでも見えるし、高解像度の輪郭はぼやけて見える。

もっと気になったのがJINSのデータ。こういう心理的疲労度の調査には大きな問題がある。アンカリングの問題だ。被験者が「今私は目に優しいメガネをつけている」という意識を持ったうえで実験に臨めば、実験後の疲労度アンケートでメガネをかけることで疲れ目がなくなったと答えるかもしれない。こうした事態を避けるには被験者に本製品と伊達メガネをどちらなのかを伝えずにかけさせるとよい。そうすれば被験者のアンカリングバイアスは低減する。まだ問題は複数あるがもういいや。画面のギラつきを抑えたゆえに輪郭もぼけて認識しにくくなっていることの疲労度がこの実験では測れないがま〜疲れた。

この程度の検証結果で我が社の製品は目に優しいですと断言するJINSと提灯記事を書くメディアが怖い。しかしネガティブなことばかり言うのは私の悪い癖だ。彼らの検証能力がどうあれ、ディスプレイを見る際にサングラスのような光を抑える機器を使うのは有効だ。私は就寝前のパソコンを使用するおりに着用している。ディスプレイはかなり明るいので、それを直視するのは睡眠に移行しにくくなる。視認性を落としても睡眠前ならばそのメリットは享受できそうだ。
違った視点から皮肉をこめて言えば、この程度の統計処理あるいは恣意的マーケティングしかできない彼らがメガネをデザイン(≒開発)できているというのは業界にモジュール化が進んでいる裏付けでもある。レンズとその他フレームや蝶番があればできあがる。実際の製造はどこかのチャイニーズにアウトソースしているのだろう。余談だが眼医者ってイメージより楽らしい。流産の危険に常に臨む産婦人科医やちびっ子相手の小児科医や重苦しいカルテばかり見る外科医と違って、リスクというのがほとんどないというのが姉の彼氏の情報。話を戻そう。逆にモジュール化が進んでない業界を探せばイノベーションの機会をみつけることができるかもしれない。個人的に服飾、自動車、医療、教育、販売、航空などがまだまだ旧態依然とした業界だと思っている。話がずいぶんずれたが『その数学が戦略を決める』の訳者山形浩生氏もイザベルなどの診療ソフトがいっこうに流行らない日本の医療の非効率性を指摘していた。

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